NEW・SSおすすめの一冊

住宅・エネルギー等に関して読んで欲しい一冊を紹介していきます。

結露を理解するには、まず湿り空気線図から。

セルロースファイバーの話の中で、『結露』に関する事がよく出る。

セルロースファイバーには調湿性があるから、結露しない。」なんて言う人がいるようで、それを真に受けた工務店様(弊社の大切なお客様です)がお施主様に同じようなことを言っていたらしく、「窓に結露した」とクレームがついたようだ。

信用を失ったらしく、出禁状態のようです。

弊社がセルロースファイバーで断熱改修し、窓をシングルサッシからペア硝子に変更した工事だった。(リビング・キッチンの部屋のみ)

結露について話をしておくべきだったと後悔した。

おそらく、工務店様はセルロースファイバーの調湿で部屋の水蒸気を吸い取るから家中が結露しないと勘違いしていたのだろう。

ここで結露について

【結露は温度差によるもので、最も温度の低いところ(露点温度以下)に出る。】

【水蒸気は、水蒸気分圧の高い方から低い方へ流れる。】

つまり、今回の現象は

セルロースファイバーで断熱された壁よりも、サッシ枠や硝子面の方が断熱性能が劣るため外気温の影響を受けやすく、表面温度が壁よりも低くなった。

その温度が露点温度以下になったので結露が起こった。キッチンでの煮炊きや人から出た水蒸気が外に排出されることなく相対湿度が高い状態で、夜を迎え、水蒸気分圧の低い硝子面に表面結露した。】ただそれだけのこと。

最も簡単な対策は換気扇を使用すること。

今の住宅は24時間換気(特に第三種換気)を使う以上、冬は必然的に過乾燥気味になってしまう。

くれぐれも「セルロースファイバーを使うから適度な湿度を保てる。」なんて間違っても言わないように!セルロースファイバーの調湿性については、次回説明します。

結露は住まい方にも影響されるので、お施主様にはきちんと説明し、正しく理解をしてもらいましょう。

また、結露を理解するために、湿り空気線図を活用しましょう!

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