木のいのち木のこころ 西岡常一
「まえがき」より抜枠 本文まま
私は自分でも職人として修業しましたし、たくさんの腕のいい職人と一緒に仕事をしてきまして、職人の仕事は機械では代われんものだということを強く感じております。
一人前の職人になるためには長い修業の時間がかかります。
近道や早道はなく、一歩一歩進むしか道がないからです。
学校と違って、頭で記憶するだけではだめです。また本を読んだだけでも覚えられませんな。たくさんの人が一緒に同じことを学んでも、同じ早さで覚えられるものでもありません。
自分で経験を積み、何代も前から引き継がれてきた技を身につけ、昔の人が考え出した知恵を受け継がなくてはならないのです。なぜならすべての仕事を基礎から、本当のことは何なのかを知らずには何も始められず、何をするにしても必ずその問題にぶつかるからです。途中を抜かしたり、借りものでその場を取りつくろっても最後には自分で解決しなくては職人の仕事は終わりません。
本日は私の最も尊敬する(故)西岡常一さんの紹介です。
職人として技を極めようとされる姿勢や、人間としての生き方に感銘している。
出張に行く時は、常にカバンの中にしのばせ(文庫本サイズ)、仕事が終わりホテルに帰ると就寝前に目を通す。そうすると明日の仕事に気合が入る。
いまさらだけど、自分が一番好きな本かな!
もう読んだ方は多いと思うが、もう一度「生き方」に注目して読んでみて。
私たちが忘れかけている「こころ」に気づくはず。
私が毎朝、仕事に向かう前に観ているもの。
それが『口伝』☟
わかる人には、わかる。