環境デザイン講義 内藤 廣
- 作者: 内藤廣
- 出版社/メーカー: 王国社
- 発売日: 2011/01
- メディア: 単行本
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「光」「熱」「水」「風」「音」
我々をとり巻く空気環境や設備環境について、人間の身体経験や感性の側から
とらえなおす:面白くて、奥が深い。東京大学の学生への講義を本にしたもので、
授業の雰囲気も感じられ、学生に戻って勉強している気分になりました。
人間の体には知覚点(痛点・圧点・冷点・温点の4つ)があり、その中の「冷点」の数は25万個、「温点」の数は3万個くらい皮膚の表面にある。最近の猛暑で体調不良になっている方もいると思いますが、「寒さ」は、生命にかかわるので、本来人間は暑さよりも寒さに対して、よりディフェンシブにできているようです。人の核心温は37度で、この温度を保持するように生体機能が制御している。寒いから服を着る、これだけだと、まだ足りないので建物を造って室内環境をつくる。その外に外部環境がある。さらにその外にエリア環境がある。エリア環境は地域的なものだから、核心温の37度を保持するには偏差があり、その対処の仕方は、その土地なりの衣服や建物や風景の形になっていく。
この考え方は、人の感性から見た微気候デザインだと感じました。
建築に関わる方に、是非読んで欲しい一冊です。