これからの雑木の庭 庭空間を改善して快適に 高田 宏臣
家をやさしく包み込む雑木の庭空間は、心地よい木漏れ日で私たちを癒し、慰めてくれます。夏は涼風と木陰で暑さをしずめ、冬は日だまりとなって、暖めてくれます。
本の写真を見ているだけで、ワクワクしてしまう。憧れと愉しさが同居する感覚になるのは、私だけではない気がする。今までは「いい家」を求めていた。家の性能だけに視点が注がれていた。でも、これからは外部環境も含めた「いい家・庭」へシフト
すべきだ。「いい家・庭」を造るには、はじめの設計時点から考えていかねばならない。建蔽率からの配置を改め、微気候デザインからの配置にしてみるのも、一考に値すると思う。以下に、本のコンセプトが書かれた文章を紹介する。
これからの時代、低炭素社会、持続可能な社会を築き上げていくためにも、街のあり方、住まいのあり方を考え直さなければならない時期にきているように感じます。
その一つとして、木々の効果を上手に生かして健康的で心地よく、愛される住まいの
環境に改善していこうという考えが「これからの雑木の庭」なのです。
単なるガーデニングの本ではない、というのが、おすすめの理由です。
次に、緑の効果(温熱環境の効果)が本当なのか知りたい方には、この一冊。
結論からいうと、人工的な緑色で低温は期待できないが、本物の木々を使った「緑の
カーテン」なら植物体からの蒸発散による冷却効果が大きいので、周辺の気温は低下する。ただし、温熱環境を変えるには、ある程度の面積が必要であることが、データによって示されている。