時間のデザイン 早稲田大学渡辺仁史研究室 時間ー空間研究会
時間のデザイン: 16のキーワードで読み解く時間と空間の可視化
- 作者: 早稲田大学渡辺仁史研究室時間‐空間研究会
- 出版社/メーカー: 鹿島出版会
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 単行本
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空間をデザインすることは、時間をデザインすること・・・・・
建築・都市を設計することとは
「イメージを用いたストーリーの構築」だとすると、
今後、そこに「時間」という要素を入れることが求められる私たちにとって、
「時間」をいかに可視化するかという問題は
大変重要な課題となるはずだ。
12月になると毎年思うことは、「もう年末か!今年も早かったなあ。」である。
「時計の時間」は、正確に刻まれるが、「心の感じる時間」は短くなったり長くなったり、常に揺らいでいる。無常、これが生きている証なんだろうなあ。
今日も揺らげ!!「私の時間」。
以前、「太陽の時間」と「時計の時間」に少しだけ触れたが、今回は「時間と空間」
について考えてみたい。
「太陽の時間」については、次回、「照明を考える」ときに触れたいと思います。
私は、これからの家づくりに、「時間をデザインすること」が必要なのではないか!
と思っている。新築しようとしている方は、「家でこういう時間を過ごしたい。」と、より具体的に書き出して、設計士に渡してみてはいかがでしょうか?
今回紹介している本は、建築家・デザイナー等の方たちが
時間・空間・人間の3つの間をテーマに、その関連性に焦点をあてている良書です。
特に設計士の方にお勧めです。設計の目線が少し変わるかも?
考え方の参考になる記述を紹介します。
空間は生きている
建築や都市のデザインは、視覚的なかたちをつくっているのではなくて、実は目には
見えない人間の暮らしという時間を設計しているのではないかと思うことがある。
空間は、人間の使い方でその目的や機能が変化する。その機能の変化を的確に読み取り、それを物理的な空間の位置や寸法に置き換えなくてはならない。そこに利用する
人間の過去の記憶や現在の使い勝手、さらには将来の暮らし方の変化に対応した性能
を予測し、それらを現在の技術で実現できるように設計することが求められる。
空間の認知は、視覚が主だが、聴覚、臭覚、味覚、触覚などや、気配や直感など精神的なものまでが、影響している。それらの多様な要素の組み合わせが、空間の心地よさや居心地にもつながっている。
人間の暮らしと空間との間にあって、空間にダイナミックな機能を要求するのが
「時間」であり、日々刻々と変わる我々のライフスタイルを、どのように設計するか、それが時間をデザインすることである。空間は生きているのだから。